IPv4とIPv6のプロトコルやサービス
インターネット接続をIPv6化しようと思い、プロバイダーやネットワーク機器を変えることにした。IPv6についてはほとんど知識がなかったので、導入前にIPv6について下調べした。下調べした結果、プロトコルやサービス、機器の接続方法などでIPv6はIPv4と全くの別モノということがよく分かった。こんなに違うとは、想定外…(汗)
IPv6接続を使うと通信速度を高速化できるようになるが、知識がないと色んな落とし穴にハマって、うまく接続できなかったりパソコンやネットワーク機器の設定を間違えたりしてしまうと思う。
そこで、IPv6とIPv4の違いについて、分かったことを記事にまとめておく。IPv6導入を検討している人の参考になればと。
IPv6とIPv4のプロトコルやサービスの対応表
プロトコルやサービスについて、IPv6とIPv4間での違いを表にまとめてみた。IPv6で通信したい場合、クライアント(パソコンのOS)が以下のIPv6機能に対応しているか、まず確認する必要がある。もちろん、Windows(Server 2008 / Vista 以降で標準)、Mac、iOS(iPhone)などのほとんどのOSがIPv6に対応している。(列挙した機能のうちの一部は、クライアントではなくルーターの機能。)
IPv6ルーターを自前で用意する場合、OSが以下のIPv6機能に対応しているか、IPv6バージョンのクライアントやサーバーを用意できるか確認が必要になってくる。ただし、光電話を契約する場合は、光電話の端末(ホームゲートウェイ)がルーター機能を有するため、その限りではない。
どうしても「光電話用ルーター+自前ルーター」を使いたい場合は、2重ルーターになるので相応の設定が必要となる。
IPv4 | IPv6 | |
---|---|---|
IPアドレス | 32ビット (例 10.10.10.0) |
128ビット (例 2001:db8:abcd:0012::0) ※「リンクローカルアドレス」、「グローバルユニキャストアドレス」、「ユニークローカルアドレス」等、複数のアドレスを1つのクライアントが保有する。 |
ネットワークアドレス部の指定方法 | サブネットマスクで表記。「/数字」で書く場合も。 (例 255.255.255.0) |
「/数字」で表記。 (例 2001:db8:abcd:0012::0/64) ※ネットワークアドレス部のことを「プレフィックス」と呼ぶ。それ以下のホスト部のことを「インタフェースID」と呼ぶ。 |
WANとの接続方法 | PPPoE接続 ※ID、Password認証必要 ※ISPを介して接続。 |
IPoE接続 ※ID、Password認証不要 ※VNEを介してNGNに接続。 ※以前は、IPv6 PPPoE接続が主流だった。古い機器(いわゆる「IPv6トンネルアダプタ」)を使っている場合は、IPv6 PPPoE接続になってしまう。この場合、ID、Password認証必要。 |
WAN側からのアドレス配信 | グローバルIPが配信される。 | プレフィックスのみが配信される。 ※プレフィックスを受け取った後、ルーターやクライアントがインタフェースIDを作成し、各クライアントがグローバルIPを保有。 |
ルーターからのクライアントへのアドレス情報配信・アドレス決定方法 IP、DNS、ゲートウェイアドレス、サブネットマスク (IPv4)、プレフィックス (IPv6)などの配信 |
DHCP (v4) | 以下の3方式が存在 ・RAによるステートレス設定 ・RAによるステートフル設定(DHCPv6使用) ・DHCPv6-PD (RA: Router Advertisement) |
IP-MACアドレス(L2アドレス)解決 | ARP | NDP (近隣探索プロトコル。ICMPv6を使用。) |
名前解決(正引き) | DNS Aレコード | DNS AAAAレコード ※IPv6の名前解決の通信には、IPv4通信を使う場合が多い。 |
ネットワークアドレス/ポート変換 | NAT、NAPT | 家庭用ルーターでは標準的でない。 ※高機能なルーターはND proxy機能により、NAT66/NAT6のWANとLAN間を透過的に扱うこともできる。 |
IPv4/IPv6デュアルスタック | - | transix MAP-E(v6プラス、v6オプション) |
こんな別モノになっているとは、ほんと想定外でした…
[1]連載 IPv6 入門 – 第一回 IPv6 の概要 – Ask the Network & AD Support Team
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