おすすめのLinuxデスクトップ環境は?
デスクトップ環境選びは、Linuxの使い勝手を決めるためとても重要。デスクトップ環境には、色んな種類があってどれが人気なのかいまいち分からない人も多いと思う。この記事では、どのデスクトップ環境が人気なのか、Googleの検索数を基準にして調べてみた。やはり、検索数が多いほどユーザー数が多かったり話題に上がったりするため、デスクトップ環境としては人気が高くなっている。
取り急ぎ、人気ランキングを紹介します
ちょっと記事が長くなってしまったので、今回調べた人気ランキングをまず紹介しておく。ここ最近1年間(2017年2月〜2018年1月)の日本国内でのデスクトップ環境の人気ランキングは、以下の順位に。順位 | デスクトップ環境 | 検索数の割合 [%] |
---|---|---|
1 | GNOME | 42 |
2 | MATE | 21 |
3 | KDE | 16 |
4 | Xfce | 12 |
5 | LXDE | 9 |
(※Googleでの検索数を基準。UnityとCinnamonは除く。)
やはり、GNOMEが人気。人気ディストリビューションのUbuntuが、バージョン18.04 LTSからGNOMEを標準のデスクトップ環境として使うことを決定しており(「UbuntuでUnityが廃止されGNOMEが復活 | 普段使いのArch Linux」)、よりGNOMEの利用率は高まっていくと予想される。
GNOMEのフォークであるMATEは、Linux Mintユーザーが増えた影響で人気を獲得している結果だと思う。XfceとLXDEは軽量化を重視したデスクトップ環境。Linux玄人に人気にというポジションのためか、ユーザーは比較的少ない。
日本国内で人気があるデスクトップ環境の方が、ネット上での日本語の情報が多かったり、デフォルトのソフトウェアの日本語化の対応が進んでいたりする。したがって、Linuxに慣れていない人は人気があるデスクトップ環境をまず選んでみるのがおすすめ。
デスクトップ環境の種類をおさらい - その1
人気のデスクトップ環境を紹介する前に、デスクトップ環境のおさらいをしておく。デスクトップ環境を選ぶ大きなポイントとなるのが、デスクトップ環境の「ツールキット(GTKやQtのこと)」。「ツールキット」は、アプリケーションのGUI部分を作り出す役割を担っている。したがって、「ツールキット」によってアプリケーションの枠組みが決まってくる。「ツールキット」が同じデスクトップ環境は、使い勝手やアプリケーションのウィンドウの雰囲気が似てくる。
さらに、デスクトップ環境によってデフォルトで採用しているアプリケーションが異なる。デスクトップ環境をインストールすると、それに伴ってインストールされるアプリケーション群がある。具体的には、デスクトップ環境によってデフォルトでインストールされるファイルブラウザや端末(ターミナルエミュレータ)、ウェブブラウザ、ウィンドウマネージャが違う。
デスクトップ環境の種類をおさらい - その2
現在、多くのLinuxに採用されているメジャーなデスクトップ環境についてまとめてみた。(Ubuntuのデスクトップ環境としてUnityが開発されたが、Ubuntuはデスクトップ環境をGNOMEに切り替えることを決定し、今後Unityの開発は終了するため除外している。)GNOMEとKDEは、デスクトップ環境の2大巨頭。スマホにおける、「iPhoneかAndoroidか?」のような位置関係。どちらがおすすめということは言えなく、ユーザーの好みによって選択肢が決まると思う。両方とも機能重視なデスクトップ環境なので、ダイナミックなアクション(ウィンドウの切り替え時など)が実装されている。外観にこだわるなら、この2つがおすすめになる。
GNOMEやKDEに実装されているようなダイナミックなアクションは求めず、軽量化を重視するならXfceかLXDEが有力な選択肢。軽量さと機能のバランスを求めるなら、Xfceがおすすめ。Xfecよりさらに軽量さを追求するなら、LXDEがおすすめとなる。
MATEとCinnamonはGNOMEからのフォークであり、最近のGNOMEのデスクトップやタスクバーが気に入らない人にはおすすめ。MATEはGNOME 2ライクなデスクトップ環境であり、Cinnamonはオリジナルな外観を作り上げている。
デスクトップ環境 | 機能 | ツールキット | ウィンドウマネージャ | ファイルマネージャ |
---|---|---|---|---|
GNOME | 機能重視 | GTK+ 3 | Mutter | Nautilus |
KDE Plasma | 機能重視 | Qt5 | KWin | Dolphin |
Xfce | 軽量 | GTK+ 2/GTK+ 3 | Xfwm | Thunar |
LXDE (GTK+ 3) | 軽量 | GTK+ 3 | Openbox | PCManFM |
MATE | 機能重視 | GTK+ 3 | Marco | Caja |
Cinnamon | 機能重視 | GTK+ 3 | Muffin | Nemo |
その他、LXQt(QtベースのLXDE)やEnlightenmentなどのデスクトップ環境があるが、ここでの紹介は割愛する。気になる人は、自分で調べてみてほしい。
最近の人気のデスクトップ環境は?
さて、本題のデスクトップ環境の人気のランキングに戻る。結果は、以下のグラフの通り。日本国内での人気は、GNOMEが高い人気を誇っている。日本国内で人気のあるLinuxディストリビューションのCentOSが、デフォルトのデスクトップ環境としてGNOMEを採用していることも反映されている結果だと思う。
KDEは知名度がある割には、人気はそこそこという結果に。Ubuntu 18.04 LTSから、GNOMEが標準のデスクトップ環境として使われるため(「UbuntuでUnityが廃止されGNOMEが復活 | 普段使いのArch Linux」)、よりGNOMEの利用率は高まっていくと予想される。
(※Cinnamonは、デスクトップ環境以外のノイズが多く含まれそうなので除いている。)
(※MATEは「デスクトップ環境」というフィルターが適用できたため、フィルター後の結果。)
(※MATEは「デスクトップ環境」というフィルターが適用できたため、フィルター後の結果。)
参考:
[1]デスクトップ環境 - ArchWiki
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