2016年2月29日月曜日

virt-managerを使ってQEMU/KVM仮想マシンにWindowsをインストール

QEMU/KVM仮想マシンにWindowsをインストール
仮想マシンインストール関連記事
仮想環境の関連記事は、「Linuxマシン上でWindowsを使う」のページにまとてあります。

はじめに
virt-managerを使って新規に仮想マシンを作ったので、その方法を記事にしておく。ここでは、「QEMU/KVM, libvirtのインストールと設定」に従って作成したQEMU/KVM仮想環境に、Windowsをインストールした。一般ユーザーのホームディレクトリにイメージディスクを作成し、ネットワーク接続はデフォルトのNAT/DHCPを使ってインストールした。

環境
  • 仮想環境: QEMU/KVM
  • GUIツール: virt-manager
  • ゲストOS: Windows XP Home Edition
  • ホストOS: Arch Linux x86_64
virt-managerを使っていれば、ホストOSのディストリビューションに関係なく手順は同じになる。

Windows XPのインストール
仮想マシンの新規作成とWindowsのインストール
インストールしたいOSが入っているインストーラーCDを、CDドライブに入れる。CDをセットしたら、virt-managerを起動する。



virt-managerのウィンドウが開いたら、「QEMU/KVM」を右クリックして、「新規」を選択。


「新しい仮想マシン」のウィンドウが開くので、「ローカルのインストールメディア」を選択して「進む」をクリック。


「インストールメディアの場所」を「CD-ROMまたはDVD」とし、CDドライブ「/dev/sr0」を選択。OSの種類は自動で認識される。


適当な量のメモリーとCPUを割り当て、「進む」。


次に、ゲストをインストールするディスクイメージ(ゲストOSのデータを保存するファイル)を作成する。ここでは、ホストOSで使っている一般ユーザーのホームディレクトリに作成する。デフォルトでは、ルートディレクトリに作成してしまうので、以下の通り設定する。

まず、「この仮想マシンにストレージデバイスを割り当てます。」にチェックを入れた状態で、「用に」(よく分からない訳だが)にチェック、「管理」を選択する。


「ストレージボリュームの選択」ウィンドウが開くので、左下の「+(プールの追加)」を選択する。


 「新しいストレージプールを追加」ウィンドウが開く。新しいストレージプールに「名前」を付けて、「種類」で「dir: ファイルシステムディレクトリ」を選択し、「進む」。


さらに、ストレージプールの保存先を設定する。ここでは、一般ユーザーのホームディレクトリに「VirtManager」というディレクトリを作って、保存先に設定した。保存先を指定できたら、「完了」を選択。


左側のカラムで、作成したストレージプールが青く選択された状態で、「+(新しいボリュームの作成)」をクリックする。


「ストレージボリュームを追加」のウィンドウが開くので、ストレージユニットに適当な名前をつける。さらにフォーマットを「raw」とする。デフォルトのqcow2は、ゲストOSが使用する容量にしたがってイメージのファイルサイズが変化するため、ストレージの節約になるが、処理に時間がかかる場合もあるので、ここではrawを選択した。

さらに、ボリュームの容量を設定(ここでは80 GiB)し、「完了」。


作成したストレージボリュームが青く選択された状態で、「ボリュームの選択」をクリック。



以下のように、新しく作成したディスクイメージが設定されていることを確認して、「進む」。



仮想マシンに名前を付け、ネットワークがデフォルトの「仮想ネットワーク 'default' : NAT」になっていることを確認して、「完了」。


次のように、Windowsのインストーラーが起動する。CDからのファイルの読み込みには、結構時間がかかった。


インストール先は、NTFSでフォーマットする。


適当なコンピュータの名前を入力などして、インストールをすすめる。


コンピュータのセットアップが完了。


QEMU/KVM上でも問題なくWindowsが起動した。



仮想マシンのWindows XPから音が出るようにする
初期の状態では、ゲストのWindows XPからの音が出なかった。サウンドデバイスが「High Definition Audioバスのオーディオデバイス」となって、このサウンドデバイスのドライバがない状態になっていた。



この音が出ない問題は、次のようにサウンドデバイスをAC97に変更することで、解決できた。初期設定のich6からac97に変更すると、ゲストOSのWindows XPが自動でサウンドデバイスのドライバ見つけてインストールし、音が聞こえるようになった。virt-managerからサウンドデバイスを変更する方法は次の通り。

Windows XPをシャットダウンした状態で、virt-managerを起動して、音が出ない仮想マシンを青く選択した状態で「開く」をクリック。


「電球マーク(仮想マシンの情報を表示)」を選択。


左のカラムの「サウンド」を選択して、サウンドデバイスの「デバイスモデル」を「ac97」に変更し、「適用」をクリック。


これで、Windows XP上からでもサウンドデバイスが認識され、音が出るようになる。




参考:
[1]第3回 Debian GNU/Linux 6.0で試すKVM:エンジニアなら知っておきたい仮想マシンのしくみ

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